どんな集団にもある程度のルールが必要だってことぐらい俺にもわかる。だけど、こいつらの気に食わねぇとこは、頭ん中がルールでガチガチのくせに、自分たちがやっていることを〝個性〟だの〝自由〟だのと呼んでいることだ。
いつも頭の中がルールでガチガチだから、いずれ大学の面接の時期になったら茶髪を黒髪に戻してロン毛を短髪にすることも余裕でやってのける。大学に入ったらまたルールに従ってブリーチして、そんで社会に出るタイミングでまたルールに従って黒髪に戻す。それの何が悪いと言われたら、何も悪くない。むしろ、正しい。そうだ、どうせ正しいんだろ?
若林正恭『青天』(文藝春秋、2026年)