わたしは別に、許せなくないかもしれない、とふと思う。許せないから芦川さんのことが嫌いなんだと思っていたけれど、芦川さんのことを嫌いでいると、芦川さんが何をしたって許せる気もする。許せない、とは思わない。あの人は弱い。弱くて、だから、わたしは彼女が嫌いだ。
高瀬隼子『おいしいごはんが食べられますように』(講談社、2022年)
わたしは別に、許せなくないかもしれない、とふと思う。許せないから芦川さんのことが嫌いなんだと思っていたけれど、芦川さんのことを嫌いでいると、芦川さんが何をしたって許せる気もする。許せない、とは思わない。あの人は弱い。弱くて、だから、わたしは彼女が嫌いだ。
高瀬隼子『おいしいごはんが食べられますように』(講談社、2022年)