古い友人から数年ぶりの連絡があり、仕事の相談を受ける、ということが続いた。「朋有り、遠方より来たる」とはちょっと違うが、これもまた楽しく、とても嬉しいことだ。
一人はYouTuberの「なおたか」こと相澤尚孝で、西荻で開催される「西荻呑らりくらり」というイベントのパンフレットをデザインしてくれないか、という話であった。通話して詳しい話を聞き、僕以上の適任者として西荻に住むデザイナー(ベルフェイスの同僚だった杉本さん)を紹介した。
もう一人はアイドルグループ「BLUEGOATS」のプロデューサーをしているサンカワリクで、BLUEGOATSのWebサイトを改修したいということだった。こちらはまさに職能的にも業界的にも僕の専門領域なので、直接引き受けることにする。
相澤もリクも、シナプス時代の同僚だ。シナプスというのはオンラインサロンのプラットフォームで、まさに「オンラインサロン」という言葉そのものを生み出した企業である。
2010年代の中頃、この会社には変な奴らが集まっていた。ボードメンバーのたむけん(田村健太郎)さん、稲着達也さんはもちろん、珠洲でガクソーを運営する北澤晋太郎や、Dos MonosのTaiTanもここで出会った友人だ。僕は当時二十代半ばで、盲目的かつ情熱的に仕事をしていた。それは圧倒的青春の日々でもあった。
久しぶりに話してすごいと思ったのは、相澤もリクも、当時から興味が変わっておらず、それを仕事にしている、ということであった。
相澤は当時から「飲兵衛である」ということに命をかけており、その「好きなことで生きていく」ためにはネット上でピエロになることも厭わない、と腹を括っていた。当時、僕はそうした態度をあまりよく思っていなかったが、それを十年続けて相澤が築いてきたものを見ると、さすがに尊敬せざるを得ない、と思うようになった。
というか、僕は相澤のことをプライドの低い人だと思っていたのだが、この十年の活動を見ていて、捨てられるプライドは躊躇なく捨てられるが、守るべきブランド価値はきちんと守っているのだということに気づいた。視聴者には笑われながら、飲食業界ではきちんとリスペクトされている。
リクも、当時からアイドルグループの運営のことばかり話していた。その内容はケーハクというか、浅慮というか、要するにアホすぎたが、しかし憎めないところがあった。(その軽挙妄動が後のバナモンの数々の炎上へと繋がっていくのだが……。)
ただ、今回久しぶりにリクと話していて「こんなに話しやすい奴だったっけ」と驚いた。何がそうさせているのか分からなかったが、少なくともアイドルや音楽のビジネスについてリクの言っていることはよく分かったし、お互いに言葉を尽くさずとも意図が通じ合う瞬間が多かった。なんだか狐につままれているようだったが、僕もリクもこの十年で何かを得たのかもしれない。
なんにせよ、己の興味に従い続けて長年奮闘している友人の存在は心強い。月並みだが、僕もそうありたいと思った。