The shoulders of Giants
リアリティ
そして繰り返すが、「仮想現実から拡張現実へ」というキャッチフレーズは情報産業のトレンドの変化を表現するもの以上の意味を帯びている。それは僕たちの虚構観そのものの変化でもあるのだ。20世紀的な劇映画は、ディズニーのプリンセスストーリーたちや『スター・ウォーズ』、そしてMCUが代表するように半ばグローバルなコミュニケーションツールとなり、そして『ポケモンGO』が代表する21世紀的なアプリゲームは通勤や買い物といった生活そのものを娯楽化する。「ここではない、どこか」に、外部に越境することではなく「ここ」に、内部に深く潜るための回路を、いま、僕たちは情報技術に、そして虚構そのものに求めつつあるのだ。
(宇野常寛、2020『遅いインターネット』幻冬舎)
金森さやか「水崎氏のこだわりは細かすぎて伝わらないヤツじゃないですか。」
水崎ツバメ「動きの鑑賞自体は別に珍しくもないんじゃない? 金魚の尻尾がヒラヒラしてるのって綺麗じゃん? 桜吹雪とかもさ。風で舞う様子が素敵なんだし、ダンスも動きのパフォーマンスじゃん。」
金森さやか「アニメも動きの鑑賞すか。」
水崎ツバメ「その中でもアニメは 一番濃厚なんだよ。」
浅草みどり「絵に描いたものは作者が意識して描いたものだからね。」
水崎ツバメ「そう! アニメーションでデフォルメされた動きとかは、地味な仕草でも、「動きの細部に注目して描いてる」って点で強いインパクトを持ってんだよね。そこが実写とは、違うとこ。」
(大童澄瞳、2017『映像研には手を出すな!』小学館)