「水崎氏のこだわりは細かすぎて伝わらないヤツじゃないですか。」
「動きの鑑賞自体は別に珍しくもないんじゃない? 金魚の尻尾がヒラヒラしてるのって綺麗じゃん? 桜吹雪とかもさ。風で舞う様子が素敵なんだし、ダンスも動きのパフォーマンスじゃん。」
「アニメも動きの鑑賞すか。」
「その中でもアニメは 一番濃厚なんだよ。」
「絵に描いたものは作者が意識して描いたものだからね。」
「そう! アニメーションでデフォルメされた動きとかは、地味な仕草でも、「動きの細部に注目して描いてる」って点で強いインパクトを持ってんだよね。そこが実写とは、違うとこ。」
(大童澄瞳、2017『映像研には手を出すな!』小学館)